Since of cruel cross Vol.2
She disappointed〜
時刻は夕方の5時。
太陽は住宅街の陰に隠れてしまって、赤く焼けた空しか
見ることは出来ない。
現在位置は杉奈荘から歩いて20分程の所にある小さな公園。
気分はかなり落ち込んでいます。
理由はアルバイトが見つからなかったから。
「本当にごめんなさい!」
「いいよいいよ。そんな簡単に見つかるものでもないしね。」
今日は朝からアルバイトを探すべく歩いていたのだけれど
結局見つけることが出来なかった。
あまりにも私のこの世界に対する知識が無かったとはいえ、これは
ちょっと・・・。
「まぁ、そう落ち込まないでよ。最初は家で家事の手伝いとかだけで
良かったんだからね。」
「それはそうなんですけど〜・・・。」
そうなんだけど、迷惑をかけっぱなしにするわけにもいかない。
それなのに、頑張れば頑張るほど迷惑をかけてしまう。
いまにも雨が降ってきそうなほど、私の心には暗雲が立ち込める。
「えーと、あの・・・その・・・。」
ああああああ。
ひかるさんもどうしたらいいか困っているし。
ど、どうしよ〜〜〜!
と、そこに一人のおじさんがやってきた。
「お。こんな所で何やってるんだ?」
地味な着物のようなものを着たおじさんだった。
「あ、村上さん。」
彼の名前は村上と言うらしい。
ひかるさんが知っているということは、杉奈荘の住人かも。
「なに落ち込んでるのかはわからないが、いつまでそうしてても
先には進めないぞ。とにかく前向きに考えろ。」
さすがおじさん。
私たちより長生きしているだけあります。
「えーと、村上さんは何をしに?」
「ん、ああ。休憩ついでに散歩謙タバコの買い足しさ。」
「ふーん。」
「それじゃあまたな。」
そういうと何処かへ去っていった。
「さっきのおじさんは村上シュンイチって名前で、作家なんだよ。」
「へー、そうなんですか。」
「最初は画家を目指していたらしいから絵も上手いし。」
いいなー、と思う。
私には文章・絵。
どちらを書く才能もない。
でも、村上さんの言うとおり、前向きに行かないとね。
その後は杉奈荘に戻った。
「今日は疲れたから夕食が出来るまで休んでいていいよ。」
「え・・・はい。わかりました。」
そういえば、私は料理も苦手だった。
出来る事といえば魔法を使うこと。
魔法に関しては他の天使なんかよりもずば抜けて上手かった。
だけど、今の私には唯一の取り柄である魔法すら使えない。
「聖なる光よ、邪悪なる存在を貫け。ホーリーアロー」
何も起こらないのは分かっている。
分かっているけれど、悔しくてつい小声で言ってしまった。
次の瞬間。
30センチくらいの長さの光の矢が、手のひらから1センチ離れた所に
出現した魔法陣から放たれた。
光の矢は窓から遥か彼方の空まで飛んでいった。
「・・・・・・!!?」
声にもならないくらい驚いた。
あの不良に絡まれた時は何も起こらなかったのに。
どうして・・・?
試しに別の魔法を唱えてみる。
「光の精霊より与えられし翼を纏わせよ。エンゼル・フェザー!」
背中からは2対4枚の翼が現れた。
飛行能力もちゃんとあるらしく、下の方の小さい翼をわずかに動かすと
中に浮く事も出来た。
背中に生えた翼を消してから座る。
「この魔法の力があれば、何かの役に立てるかもしれない。」
もちろん、他の人が見えるようなところでは使えないけど。
なぜ、魔法が使えるようになったのかはわからないけど、
これで希望が見えてきた。
やっとひかるさんの役に立てるかもしれないと・・・。
マリア達の住んでいる杉奈荘より数十メートル上空に、
何かが飛んでいた。
「・・・。やはり魔力は復活してしまったか。だけど、絶対に
仕留めてみせる。」
漆黒の翼を持つ天使の様な姿をした者は、そう言い残し
闇夜に溶けるように消えた。
絵も文章も料理も苦手な私の唯一の取り柄「魔法」が
理由はわからないけど使えるようになりました。
再び使えることがわかった時、思わず意気込んでしまったけれど
よくよく考えると使い道がわからない。
ま、ここは良い方向に考えることにしましょう。
プラス思考って物ですね。
「夕食出来たよーー!!」
「いま行きますー!」
どうやら夕食が出来たみたい。
お腹も空いた事だし、今後のことは後で考えることにしましょう。
ところで夕食は何かな〜〜♪